日本語ラップの親,いとうせいこうから見る日本のヒップホップの歴史

テレビでよく見るいとうせいこうさんが何者か知っていますか?ただの文化人じゃないんです。日本にヒップホップやラップを広め、歴史を作った人なんです。いとうせいこうさんがどう日本にラップやヒップホップを広めていったのか歴史を含めて紹介していきます。

日本語ラップの親,いとうせいこうから見る日本のヒップホップの歴史のイメージ

目次

  1. いとうせいこうさんが築いた日本のヒップホップとラップの歴史
  2. いとうせいこうとは?
  3. ヒップホップとラップはどう違う?
  4. ヒップホップとは?
  5. ヒップホップの歴史
  6. ラップとは?
  7. ラップの歴史
  8. 日本におけるヒップホップ・ラップ
  9. 日本のヒップホップ・ラップの歴史
  10. いとうせいこうの革命的アルバム「建設的」
  11. いとうせいこうのヒップホップを聴いてみよう

いとうせいこうさんが築いた日本のヒップホップとラップの歴史

出典: https://silly.amebahypes.com

日本語ラップの親

テレビでいとうせいこうさんを観たことがありますか?博識でみうらじゅんさんや安齋肇さんと仲の良いサブカルチャー文化に精通している人物という感じですよね。

実はいとうせいこうさんを、日本のヒップホップやラップというカルチャーを広めた音楽界にも影響を与える人物だったのです。

いとうせいこうとは?

出典: https://silly.amebahypes.com

いこうせいこうとは?

1961年生まれの56歳。東京都葛飾区生まれです。本名は「伊藤正幸」。
肩書が多く、お笑いタレント、ラッパー、俳優、小説家、作詞家などです。

日本にヒップホップやラップのカルチャーを取り入れたのはいとうせいこうさんといわれています。詳細は後に書いていきます。

ヒップホップとラップはどう違う?

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ヒップホップとラップ

どう違うのでしょうか

ヒップホップとラップはどう違うのでしょうか。

日本ではしばしば一緒くたにされてしまうヒップホップですが違いを説明していきます。

ヒップホップとは?

出典: http://sumiosan.hatenablog.com

カリビアン・アメリカンのクール・ハーク

カリビアン・アメリカンなどの外国系のコミュニティからヒップホップが始まりました

出典: http://sumiosan.hatenablog.com

クール・ハークのGoogleロゴ

ヒップホップ生誕44周年を記念して作られたクール・ハークのロゴです

ヒップホップはアメリカのニューヨークで1970年代に生まれました。アフリカ系アメリカ人やカリビアン・アメリカン(ジャマイカやハイチ、トリニダード・トバゴ系のアメリカ人。後述に出てくるクール・ハークやグランドマスター・フラッシュなど)、ヒスパニック系の人たちが始めたコミュニティ内のパーティが始まりといわれています。

80年代にヒップホップは「ラップ」「ブレイクダンス」「グラフィティ・アート」の三大要素でできていると定地されました。
また、諸説では「ラップ(MC)]「DJ]「ブレイクダンス」「グラフィティ」の四大要素ともいわれています。

ヒップホップの歴史

出典: http://hiphopflava.net

クール・ハーク

ブレイクビーツ生みの親です。ブレイクビーツの時に踊りだす人をブレイクダンサーと呼び、「B-BOY」と呼び始めたのもクール・ハークと言われています

出典: http://hiphopflava.net

スクラッチを普及させたグランドマスター・フラッシュ

クール・ハークにDJを学びました

出典: http://hiphopflava.net

アフリカ・バンバータ

ヒップホップの欠かせない要素を定義しました

諸説ありますが、1970年代初頭にできたといわれています。
ブレイクビーツの産みの親「クール・ハーク」、スクラッチというものを普及した「グランドマスター・フラッシュ」、ヒップホップという言葉を生んだ「アフリカ・バンバータ」の3人がコミュニティを超え、音楽界に広がっていきました。

1970年代~1980年代 オールド・スクール

出典: http://www.danstreet.jp

WILD STYLE

オールド・スクールのヒップホップを取り上げた1982年の映画です

1970年代~1980年代のスタイルは「オールド・スクール」と呼ばれ、ヒップホップの黎明期のスタイルです。音楽の間間にマイクをとり、言葉を言うようになりました。歌詞は簡単な自己紹介からオールド・スクール後期には性的であったり、わいせつな内容でした。韻を踏むのはそこまで多くはなかったようです。
ディスコやソウル、ファンクなどのサンプリングが多くされていました。

代表的なオールド・スクールのアーティストはクール・ハークやグランドマスター・フラッシュです。

1990年代以降 ニュー・スクール

出典: http://herbesthome.blog.so-net.ne.jp

デ・ラ・ソウルのTシャツ

ニュー・スクールはファッションでも一世を風靡しました

ヒップホップ人気が高まり、音楽機材の発展や画期的な手法が目立ちます。
アメリカ全土でヒップホップが流行し、各地で個性のあるヒップホップが生まれた時期でもあります。

また、メッセージ性の強い歌詞がこの時期の特徴で、黒人差別やアメリカの政治や経済を皮肉った歌詞が多く社会的なアーティストが多く輩出されました。
また、女性のアーティストもこの時期に多くいました。

代表的なアーティストはデ・ラ・ソウルやラン・ディーエムシーです。

ラップとは?

出典: http://globaldailytimes.com

Run-DMC

ラップというスタイルを世に広めました

ラップは歌唱法の一つです。「詞の内容」「リズムや韻」「話し方(声調など)」が大事な要素です。
メロディよりも韻を踏んでいることが特徴で、人に話すような口語に近い抑揚で歌います。

ラップの歴史

出典: http://hiptankrecords.com

シュガーヒル・ギャング

ヒットしたラップソングで日本人アーティストに影響を与えています

1960年代のアメリカのブロックパーティーが起源といわれていますが、アフリカン・グリオ(西アフリカの伝統伝達者)をルーツにモハメド・アリのインタビューでの言葉遊びやマルコムXやキング牧師の政治的な指導者のスピーチが影響を与えていると思われます。

DJのブレイクビーツにリリックを乗せたものが初期のラップの形でした。

ラッパーという表現は1979年のシュガーヒル・ギャングのシングル「ラッパーズ・ディライト」のヒット以降に親しまれた呼び方です。しかし、嫌う人が多くラン・ディーエムシーが「MC(microphone controller)」と名付け、広まっていきました。

日本におけるヒップホップ・ラップ

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ドリフの早口ことば

日本で初のラップといわれています

日本におけるヒップホップ・ラップは1980年初頭にザ・ドリフターズが最初といわれています。
そこから日本の音楽シーンに根付くのには時間がかかりました。1990年代にヒットするまで一般的な音楽シーンからはサブカルチャーとして評され、一般的とまでは言えませんでしたが先駆者たちの功績を昇華し、J‐POPシーンに根付くことができました。

日本のヒップホップ・ラップの歴史

出典: https://www.cinra.net

いとうせいこう

いとうせいこうさんは日本のヒップホップを語るなら最初に名前が出るべき存在です

日本でヒップホップやラップといえば黎明期はお笑い寄りのコミカルなものが多い傾向でしたが次第にいとうせいこうさんを始め、本格的で実力派のアーティストも1980年代に出てきます。
90年代には上手くJ-POPシーンと融合しヒット曲が連発します。また、ロックシーンにも浸透し日本にヒップホップ・ラップというものが浸透していきます。

1980年代の日本のヒップホップ・ラップの歴史

出典: http://natalie.mu

吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」

日本で最初にヒットしたラップソングです

日本における最初のラップをやった人はザ・ドリフターズといわれています。1980年発売のシングル「ドリフの早口ことば」が最初といわれています。
1981年にスネークマンショーや山田邦子がラップに挑戦しました。ザ・ドリフターズから山田邦子とコミカルでお笑い寄りの印象で日本に少しずつ知られていきました。

1984年には佐野元春がアメリカのヒップホップを参考に楽曲を制作して発展に注力します。また同年、吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」が日本ラップシーン初のヒットとなります。
1985年、いとうせいこう「業界くん物語」を制作、徐々にヒップホップやラップが日本に知られていきます。オールド・スクールのヒップホップに強く衝撃を受けたいとうせいこうが作るジャパニーズ・オールド・スクールの始まります。

1986年、ラン・ディーエムシーが「ウォーク・ディス・ウェイ」をヒットさせると日本でも人気は上昇、ラップシーンが発展していきました。同年、いとうせいこう「建設的」を発売しました。

1990年代の日本のヒップホップ・ラップの歴史

出典: http://tkito.hatenablog.com

RYMESTER

日本のヒップホップ界の重鎮です

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TOKYO NO.1 SOUL SET

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Dragon Ash

ミクスチャー・ロックの先駆者でラップをロックに乗せてラップの浸透に貢献しました

1990年代になるとスチャダラパーやTOKYO No.1 SOUL SET、RHYMESTERという重鎮が当時立て続けにデビューし、日本の音楽チャートにヒップホップ・ラップを少しずつ浸透させていきました。

1994年、スチャダラパーと小沢健二のシングル「今夜はブギーバック」が50万枚以上のヒット、EAST END×YURIの「DA.YO.NE]が日本のヒップホップ・ラップにおいて初のミリオンセラーになります。

1999年、Dragon Ashが「Viva La Revolution」でラップミュージシャンと多数コラボ、ミクスチャー・ロックに変遷します。

2000年代~2010年代の日本のヒップホップ・ラップの歴史

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RIP SLYME

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KICK THE CAN CREW

この年代ではRIP SLYMEやKICK THE CAN CREWが相次いでデビュー。ポップシーンとラップシーンが絶妙に融合したアーティストがデビューします。

2000年代中期にはSOUL'D OUTやSEAMOがデビューし、のちに武道館ライブまで行います。
テレビ朝日の番組「ミュージックステーション」にヒップホップ・ラップミュージシャンが頻繁に出るようになります。

2010年代になるとフリースタイルバトルをする番組「フリースタイルダンジョン」がスタート。審査員にいとうせいこうら数名の重鎮が参加します。番組は人気になり、番組で人気のMC7人でiTunesに曲を配信、週刊チャート一位を獲得します。

いとうせいこうの革命的アルバム「建設的」

出典: http://seikofes.jp

建設的

邦楽史に残る名盤です

いとうせいこうさんがヒップホップやラップの土台を日本で築いていなければ今日の日本のヒップホップ・ラップシーンはなかったかもしれない。そのくらいこのシーンではいとうせいこうさんはすごい人なのです。
そのすごさを表すアルバム「建設的」を紹介します。

いとうせいこうの30年計画?革命的アルバム「建設的」。いとうせいこうが作ったジャパニーズ・ヒップホップ

出典: https://www.cinra.net

いとうせいこう

1986年、いとうせいこう & TINNIE PUNKS名義で発表されたアルバム「建設的」。
日本語のラップで作られ、「日本語ラップ」という日本独自のラップを築いた一枚です。
上記の「フリースタイルダンジョン」などの人気から原点回帰ではないですが、また再評価されたアルバムです。

参加アーティストはプロデューサーにヤン冨田、ゲストに大竹まこと、高橋幸宏、ケラ、有頂天などバラエティに富んだ豪華な面々です。

「建設的」は30年かけて出来上がったいとうせいこうが誇る歴史的傑作

出典: http://natalie.mu

足軽先生とレキシ

池田貴史のソロプロジェクト「レキシ」に「足軽先生」名義で参加しているいとうせいこう。池田貴史もいとうせいこうのフォロワーです

「建設的」の発売は1986年9月21日に発売しました。「建設的」を建設し、日本の日本語ベースのジャパニーズ・ラップは日本の音楽シーンに定着し、いとうせいこうさんが当時革新的に行った実験的で完成度の高い作品は30年かけて、建設が終わりました。
「建設的」は昨今の日本のラップシーンが最盛期を迎えたと同時に再評価され、「建設的」発売30周年を記念して再発売されました。

オールド・スクールの良さと日本の音楽を上手く混ぜ合わせ、より個性的にかつ中毒的なヒップホップを高音質で聴くことができます。

「建設的」発売30年といとうせいこうの功績を称えたトリビュートアルバム「再建設的」発売と建設的30年記念いとうせいこうフェス

出典: http://seikofes.jp

トリビュートアルバム「再建設的」

豪華アーティストのフォロワーによるトリビュートアルバム

出典: http://seikofes.jp

いとうせいこうフェス

建設的30周年に記念して

「建設的」が再発売とともにいとうせいこうを尊敬してやまない影響を多く受けたアーティストによるトリビュートアルバム「再建設的」が発売されました。豪華アーティストたちによる「建設的」を再建設することにより、原点回帰


いとうせいこうさんのフォロワーたちによるフェスが開催されました。RYMESTERの宇多丸やみうらじゅん、レキシ、中村ゆうじ、真心ブラザーズ、細野晴臣、くりぃむしちゅー上田などヒップホップやラップシーンに留まらず、日本の様々な音楽シーンやお笑いシーンの豪華な人たちで構成されるフェスが開催されいとうせいこうのヒップホップを称えられました。

いとうせいこうのヒップホップを聴いてみよう

出典: https://silly.amebahypes.com

ジャパニーズ・ヒップホップの親

いとうせいこう氏

日本に未だ届いていなかったヒップホップやラップ。
それらを日本向けに日本人に聴きやすく昇華しながら個性的な作品をぜひ聴いてみてください。

ヒップホップやラップファンだけでなく、音楽ファン全体の人に聴いて、楽しんでいとうせいこうの作る作品を楽しんでください。

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